【中標津】~根室地域の空の玄関口
便利さと雄大な自然に恵まれた町

日本列島本土最東端に位置する根室地域。中標津町には、この地域唯一の空港があります。
着陸に向かって下降する飛行機の窓からは、屈斜路湖や摩周湖、そして広がる牧草地が見渡せ、晴れた日には知床半島、羅臼岳をはじめとした国後島の山々も一望できます。

中標津町は、雄大な大自然の玄関口。
釧路湿原や世界自然遺産の知床半島、野付半島など、ここを拠点に観光が始まります。また、冬は気温がマイナス20度になることもあり、山々から吹き降ろす風も強いことで知られています。農業は酪農が中心ですが、この強風から牧草地や畑を守るための防風林が多いのも特徴的です。
町内を流れる標津川は、アイヌ語の「大きな、真の」という意味の「シ」と、川という意味の「ペッ」が名前の由来。川の中流域に位置することから中標津町と名づけられました。

空港から市街地までは車で5分余り。
根室市をはじめ、羅臼町、標津町、別海町など近隣地域の商業経済の中心地として発展してきました。
暮らしやすさが魅力で若者や子育て世代からも人気があります。その一方で便利さと自然の豊かさが、あまりにも日常になっているのかもしれません。
「何もない」と何度か耳にした地元の人の声を、取材を通して検証してみました。

 

~昼も夜も楽しめる
開陽台で地球を体感しよう

標高270mの台地、開陽台。“330度の視界”とうたわれていますが、展望台からは360度ぐるりと見渡すことができます。町内にある標高約1000mの武佐岳などが遮るため、地平線が見えるのが330度だそうです。草原のかなたに地平線は文字どおり丸く見え、晴れの日には野付半島や根室半島、北方領土の国後島も望めます。
展望館内には地元産の生乳を使ったソフトクリームが人気のカフェや、中標津開拓の歴史を紹介したパネル展示のコーナーなどあります。

夜、訪れる人も少なくありません。なぜなら、そこは満天の星空のステージ。降り注ぐ大粒の星たちに、何度も願い事を唱えるなんてこともできそう。まさに宇宙の大パノラマが広がります。

開陽台はライダーの聖地ともいわれており、周辺は一本道が多いのも特徴。地元では“ミルクロード”と呼んでいます。酪農の町だけあり、牛乳を出荷するタンクローリーが走る一直線の道ということから名づけられました。
ミルクロードはインスタ映えスポットとしても人気です。

■名称/開陽台展望館
■期間/4月下旬~10月末
■営業時間9:00~17:30(10月~16:30) ※屋上は常時開放。
■料金/無料
■住所/中標津町字俣落2256-17 ※駐車場は無料。60台(バス6台)収容
■TEL/0153-73-3111(経済振興課)、0153-73-4787(中標津町観光案内所)

 

~オリジナルプランで雪の原野を走ろう!
雪原乗馬・馬そり体験

「いつか馬に乗って駆けてみたい」なんて、乗馬に憧れたことはありませんか。その夢が叶うのが大西牧場での乗馬体験です。ここには道産子から、ポニー、アラブ系、ハーフなど様々な馬を40頭ほど飼育しています。広い敷地で馬にストレスをかけないよう、伸び伸びと飼われており、性格も人馴れした穏やかなタイプが多いそうです。

体験のメニューもいろいろ。お子さんにはポニーの乗馬や馬そり、馬車などがおすすめ。大人には経験や希望を考慮して、距離や時間、コースをコーディネートしてくれます。
ガイドは大西牧場内を拠点としたホーストレッキング同好会が務め、メンバーは約20人。世話役の瀬波秀人さんは、「ノウハウを蓄えた乗馬が好きな人たちが集まって、約10年前に発足しました。自然が豊かな中標津界隈は絶好の乗馬ポイント。馬と触れる喜びを味わってもらいたいですね」と言います。

格子状防風林のなかのまっすぐな道、知床連山を背景にした平原、開陽台、海岸に面した野付半島などコースは数えきれないほどあるそうです。
牧場主の大西一郎さんは中標津生まれの中標津育ち。この辺りの地理は隅々まで知っています。雪水で生えるクレソンを摘んで食べさせてくれたり、飼育する牛の搾りたての牛乳を飲ませてくれたり、季節や牧場ならではのお楽しみも。

乗馬経験や希望は個人差があるので1人、あるいは2人とできるだけ少人数での体験がおすすめです。
雪の季節だけでなく、随時開催されています。型にはまらない、安全安心なオンリーワンの乗馬体験をぜひ!

■名称/大西牧場ホーストレッキング体験
■体験料/要相談
■期間/通年
■住所/中標津町字俵橋1547-3
■TEL/090-8274-9955(瀬波)

 

~中標津の魅力がさらに深まる
中標津町郷土館

中標津町の全体像を知るならここ。郷土館では中標津町の歴史、民俗、開拓史に関わる資料を1500点ほど展示しています。観光に訪れた際、最初に見ておくと理解度がぐんとアップ!

森林から農地に変遷していく様がパネルで展示されているほか、酪農に関する農具、中標津町指定文化財「蛙意匠の土器」なども。
「パネルや当時の写真や道具など、目で見ることで理解しやすいと思います。お時間あればぜひお立ち寄りください」と学芸員の村田一貴さん。

■名称/中標津町郷土館
■開館時間/3、4月10:00~17:00(5~ 9月は 9:00~)、11~2月10:00~16:00(10月 ~16:00)
■入館料/無料
■休館日/月曜、年末年始、但し月曜日が祝日の場合は火曜日
■住所/中標津町丸山2-15 ※駐車場あり 無料
■TEL/0153-72-2190
■HP/https://www.nakashibetsu.jp/kyoudokan_web/

 

~酪農家が営む町中のゲストハウスushiyado
牛をテーマに新しい旅を提案

中標津の町全体を宿に見立てた“まち宿”スタイル。
酪農の町・中標津で酪農家が営む宿なので、牛がのんびり暮らす牛舎をモチーフに内装を考えたそうです。

泊まりに来た旅人が町へ繰り出し、また地元の人たちもここに集う。地元との交流の場としても活用してもらいたい」というオーナーさんの想いが込められています。

■宿名/ushiyado
■料金/ツイン5000円~、ドミトリー4500円~
■時間/チャックイン15:00~21:00、チェックアウト~10:00
■体験あり/バター作り(料金別)
■住所/中標津町東3条北1丁目4 2F ※駐車場5台
■TEL/0153-77-9305(電話受付10:00~18:00)
■HP/http://ushiyado.jp/

 

~ushiyadoの朝食におすすめ
地元牛乳でバターづくり体験

中標津町の生乳生産量は別海町に次いで道内で2位。従来はもっぱら加工品用でしたが、地元のJAの「中標津町の牛乳をもっと広めたい」という想いから“なかしべつ牛乳”が作られるようになりました。
なかしべつ牛乳のフレッシュクリームだけを使ったバター作り体験が、ushiyadoで始まりました。

専用シェーカーに入れて振り出来上がったバターは、トーストに塗ってミルクスープ、コーヒーと共に朝食でいただけます。

作りたてのバターの香りと濃厚な甘さは格別です。

■名称/バター作り体験
■体験料/2500円
■時間/30分~

 

~酪農を通して町を知る
暮らしに密着した農場体験

竹下牧場の牧場体験は朝が早い。朝6時半に現地集合です。
その理由を、「酪農家は通常、朝4時半に起きて搾乳作業を始めます。そんな酪農家の日常をちょっぴり味わってもらいたくて」と説明する代表の竹下耕介さん。

体験内容は牧場内見学。搾乳場での説明もあります。牛の暮らしや食事のこと、衛生管理など酪農家の仕事について説明を受け、酪農の理解を深めます。

■名称/農場体験
■申し込み/ushiyado にて
■営業/冬期休業期間12月~4月
■時間/6:30現地集合。30~60分
■体験料/要相談
■住所/中標津町俣落63
■TEL/090-9087-9436(竹下)

 

~わざわざ足を運びたくなる店に
たどり着いた塩ジンギスカンと海鮮

羅臼生まれで元漁師、異色の経歴を持つオーナー。
漁師を辞めて中標津町へ出てきたのが19年前。
当時道東にはなかったジンギスカンの店を出すことを思いつきました。

「北海道の食文化であるジンギスカンで、他所の地域から来た人をおもてなししたい」鮮度の良い生ラム肩ロースを中心に、知床塩や羅臼昆布ダシを使った自慢のジンギスカン。

元漁師ならではの新鮮な海鮮。地場の野菜やチーズなどの乳製品も。
北海道を味わえるようなお店で、今では旅人はもちろん地元の人達からも愛される繁盛店に。

■店名/知床ジンギスカン そら
■営業時間/12:00~14:30、17:00~23:00
■定休日/水曜
■住所/中標津町緑町南1-2
■TEL/0153-73-1100
■HP/http://shiretoko-sora.com/

 

~イコン画家の山下りんの作品で知られる
上武佐ハリストス正教会

延々と続く牧草地帯のなかに、突然現れる洋風の建築物。

大正8年に建立された、キリスト教の教会の一つである正教会です(現会堂は昭和53年に成聖)。とど松に囲まれたたたずまいは厳粛な雰囲気が漂い、協会の中にはロシアで学んだ日本人最初のイコン画家、山下りんの作品が展示されています。

正教会で重要視される12の大祭の絵が全てが揃っていることで、知る人ぞ知るお宝スポットといえるかもしれません。

■名称/上武佐ハリストス正教会
■見学/事前予約
■入館料/無料
■住所/中標津町字武佐南9-1
■TEL/0154-41-6857
■HP/http://www.orthodoxjapan.jp/annai/h-kamimusa.html

 

~お気に入りの部屋で過ごす極上の時間
100%源泉かけ流し天然温泉 湯宿だいいち

市街地から車で約30分、中標津町の奥座敷と呼ばれるこの温泉は、かつてアイヌの人たちによって発見されたと言われています。

40ある客室は和洋折衷バラエティに富み、一つとして同じしつらえはありません。必ず自分のお気に入りの部屋に泊まる常連さんもいるとか。
標津川に沿った露天風呂は、夜にはシマフクロウが姿を現すこともあるとか。

約60種類もの料理が並ぶバイキング形式の朝食も大好評です。

■宿名/養老牛温泉 湯宿だいいち
■時間/チェックイン14:00~、チェックアウト11:00~
■住所/中標津町養老牛518
■TEL/0153-78-2131
■HP/http://www.yoroushi.jp/

 

~アットホームで手作りあふれる
季節の味覚を味わうホテル養老牛

春はフキノトウから始まり、クレソン、行者ニンニク、コゴミ、ウド…と周辺に生える豊かな山菜を生かした夕食が口コミで大人気。

「山の中だからこその味わいを楽しんでもらえたら」と話すのは5代目当主の小山宏之さん。

大学時代を東京で過ごしたからこそ、改めてこの土地の良さを再発見できたと言います。季節ごとに移り変わる山々の色、鳥の音など五感で自然を楽しめる、末長く愛される宿を目指しているそうです。

■宿名/ホテル養老牛
■時間/チェックイン15:00~、チェックアウト10:00~
■住所/中標津町字養老牛519
■TEL/0153-78-2224
■HP/http://youroushi.com/

 

~OH~中標津
中標津愛あふれる熱いRAP

ご当地RAP選手権というのをご存知でしょうか。日本全国のご当地ラップ動画を一堂に集めた動画コンテストです。

2017年に、地元ソング「OH~中標津」でエントリーし、見事準グランプリを受賞したのが、多国籍料理店主のコータローこと江西浩太郎さん。

近隣の海鮮や地元の素材を生かした料理で客を喜ばせる一方、2人組REGGAE DEEJAYバッファローソルジャーのメンバーとしてライブなどで活躍。まさに中標津の魅力を全網羅した作品!

■店名/多国籍料理店 呑食里
■営業時間/18:00~23:00
■定休日/月曜
■住所/中標津町東2条南2-1 中標津経済センタービル 1F
■TEL/0153-79-0515

 

中標津町を案内してくれた人たち

中標津町商工会の皆さんに案内していただきました。中標津の宴会は「牛乳で乾杯!」から始まるそう。もっとこの町を盛り上げなくてはと、中標津町商工会を事務局にして、2018年から雪上ドリフトやスノーモービル、バナナボートなどの体験ができる新しいイベントを企画されています。雪の多い1月後半から2月にかけての限定のアクティビティは、かなりダイナミックに楽しめそうです。
■動画/https://www.youtube.com/watch?v=EP38gMSG5Yg

 

須郷 洋機 さん
中標津生まれ、中標津育ち。商工会事務局長。顔の広さは道内の商工会でも知られるところ。一見、強面ながら人情に厚いTHE 中標津人。学生時代に札幌で暮らすもUターン。後輩をいかに育てるか奮闘中。

 

國奥 志也 さん
中標津生まれ、中標津育ち。学生時代に札幌で暮らすもUターン。「中標津の良さについては、我々には日常的な物であり良いものなのかよくわかりませんが、都会から来た方々のお話を聞くと色々なことに気づかされます」と日々、地元の魅力再発見中。

 

島崎 智恵美 さん
中標津で生まれ、一度も町外で暮らすことなく現在も中標津在住。今後も出る予定なし。ムードメーカーとして職場に花を添えるだけでなく、年配者から若手まで地元での人脈の広さを誇る。誰とでも打ち解け、人と人をつなぐネットワークづくりに貢献中。