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後編/北海道の大地の魅力を全身で味わう「農泊」だからできること

地方の農山漁村に滞在して、伝統的な文化や生活、地元の人々との交流を体験する「農泊」。今回は北海道の大自然や文化産業に触れる2泊3日の旅へ。

※前編リンク(前編/北海道の大地の魅力を全身で味わう「農泊」だからできること@写真の町東川町)

二日目は旭川市に立ち寄り、丘のまち美瑛へ向かいます。

 

■北海道・旭川市/人気観光スポットへ

まずは、北海道を代表する観光スポットの旭山動物園へ。


動物の自然な生態が見られる「行動展示」で有名ですよね。ホッキョクグマがダイナミックに泳ぐ姿やアザラシの特徴的な泳ぎを観察できる円柱水槽、雪が降り積もった時期に行われるペンギンの散歩などが人気です。ウサギやモルモットなどと触れ合える場所もあり、動物の体温を感じてほがらかな気持ちに。

 

 

旭川市 旭山動物園
住所/旭川市東旭川町倉沼
電話/0166-36-1104
時間/2018年11月11日〜2019年4月7日10:30~15:30(最終入園15:00)
※季節により異なる
料金/大人820円

 

■北海道・美瑛町/幻想的なライトアップ&散策

かわいい動物たちに後ろ髪を引かれつつも、次なる目的地を目指し一路、美瑛へ。

到着したのは、「青い池」。水面が青く見える池に立つ木々が幻想的で、美瑛を代表する観光スポットです。池から飛び出した木々は白樺のように白く見えますが、実はカラマツというマツ科の植物。池の中で立ち枯れて白っぽくなっているそうです。

 

この青い池、2016年の台風の影響で池の中の木が折れてしまったり、美瑛川の護岸が破裂され池の水が抜けてしまう被害を受けましたが、今では元の輝きを取り戻しています。

 

冬の間は湖面が凍って青くは見えなくなるのですが、逆にその凍った湖面を生かした演出としてライトアップを行っています。このライトアップは、いくつもの照明のパターンが展開されていくので、色々な表情の青い池に出合えます。照明のパターンや撮影位置を変えて鑑賞したり写真を撮ったりしているうち、ついつい時間を忘れてしまいました。

 

 

 

白金 青い池
住所/北海道上川郡美瑛町白金
電話/0166-94-3355(道の駅びえい 白金ビルケ )
時間/~1月31日16:45〜21:00、2月1日~2月28日17:30〜21:00、3月1日~4月30日18:00〜21:00※悪天候時は中止する場合があり

 

自然と光の幻想的なコラボレーションに酔いしれた後は、森と星空のナイトツアーへ。

スノーシューを履き、懐中電灯の明かりとガイドの小倉さん(写真中央)を頼りに真っ暗な森林を歩きます。動物の足跡を見付けると「これはキツネの足跡ですね。キツネはモデルウォークで、一直線に歩くんですよ」と教えてくださいました。

 

途中、小倉さんの合図で一斉に懐中電灯を消すことに。明かりを消すと真っ暗!…という程でもなく、雪の白さが反射材のような役割を果たし、意外と暗闇でも周りを確認できます。

 

最後は、小倉さんご自慢の紅茶で森のお茶会を。冷えた体に、砂糖を加えた程よい甘さの紅茶がじんわりと染み渡ります。残念ながら当日は星空を望めませんでしたが、森の中で息をひそめる動物たちになったような気持ちで森の散策を楽しめました。

 

ナイトツアー
電話/050-3559-3131(美瑛・白金ネイチャークラブ)
料金/1人3,000円(2人から開催)

 

 

この日の宿泊先である白金温泉に向かう途中、ホテルのすぐ近くにある白ひげの滝に寄り道。岩の間から白い筋を引きながら青い川底に流れ落ちる様子は壮大で、ライトアップされて妖艶でもありました。

 

白ひげの滝
住所/北海道上川郡美瑛町白金
点灯時間:〜21:00

 

旭川、美瑛と巡った2日目も終了。白金温泉で疲れを癒し、北海道「農泊」旅、最終日に備えます。

 

 

 

■北海道・美瑛町/丘のまち巡り

翌日は、「丘のまち美瑛」の真骨頂を回ります。

丘陵地帯である美瑛はなだらかに丘が広がり、そこに様々な農作物が植えられることによって美しい丘の街並みを築いています。その景観の美しさから、多くのCMや撮影スポットとして登場し、人気の観光スポットとなっています。

 

まずは、「クリスマスツリーの木」を見に行きます。クリスマスツリーに似ているから!というシンプルな理由で名付けられたようです。雪の中のクリスマスツリーとは、ロマンチックですね。

 

その後は、日産のスカイラインのCMロケ地として使われた「ケンとメリーの木」、タバコのセブンスターのパッケージに採用されたことからそう呼ばれるようになった「セブンスターの木」、タバコブランドのマイルドセブンのPRに使われた「マイルドセブンの丘」などを巡りました。これらの木々は、農家さんたちがそれぞれの農地の境の目印として植えたとされています。

 

思わず撮影に夢中になってしまいがちですが、美瑛の丘は主に農家さんの大切な農地。安易に入ると病害虫などで農地を汚染したり、作物を痛めてしまう恐れがあるので許可なく農地への立ち入りは厳禁ですので道路から撮影してくださいね。美瑛の景観は農家さんが植えるジャガイモや小麦や豆などの農作物によって彩られているので、農家さんの生産活動を妨げることになるような行いは気を付けましょう。

 

そして天気が良ければ十勝連峰を望める「新栄の丘展望公園」や「北西の丘展望公園」に立ち寄り、お腹も空いてきたところでお楽しみのランチへ向かいます。


(左上)新栄の丘展望公園、(右上)ケンとメリーの木、(左下)セブンスターの木、(右下)マイルドセブンの丘

 

 

クリスマスツリーの木
住所/北海道上川郡美瑛町美馬牛

ケンとメリーの木
住所/北海道上川郡美瑛町大久保協生

セブンスターの木
住所/北海道上川郡美瑛町北瑛

マイルドセブンの丘
住所/北海道上川郡美瑛町字美田

新栄の丘展望公園
住所/北海道上川郡美瑛町美馬牛新栄

北西の丘展望公園
住所/北海道上川郡美瑛町大久保協生

 

オシャレなカフェが多い美瑛最終日のランチは北西の丘展望公園のすぐ向かいにある「Café BIEI-good day- カフェ瑛美〜ランドマンたちの空庭。〜」に伺いました。

ランドマン(農夫)が手作りで始めたお店で、主役は丹精込めて育てた野菜たち。びえい豚のメイン料理やフォカッチャ、色とりどりの副菜がきれいに盛られたランチプレートは1,500円から。私は美瑛もち豚のハーブロースト・グレイビーソース1,600円をいただきました。生、グリル、ポタージュなど手の込んだ調理法でいただく野菜たちはどれも笑みがこぼれるおいしさ。

 

 

Café BIEI -good day- カフェ美瑛〜ランドマンたちの空庭。〜
住所/北海道上川郡美瑛町字大久保協生
電話/0166-74-8307
時間/11:00~16:00(LO15:00)※食材が無くなり次第終了
休み/火曜、不定(冬期間は水曜も休み)

 

心も体も満たされたところで、「スプウン谷のザワザワ村」を見学させてもらいました(通常は宿泊者専用のため、見学・撮影は禁止ですが、休業日ということで特別に)。一棟貸しのゲストハウスで、夏場は予約が取れないほどの人気ですが、HPで3ヶ月前から空室状況が確認できるので要チェックです。

 

オーナーがほぼ手仕事で作り上げた建物は、外観も素敵ですが内装もとってもかわいい!猫脚風のバスタブや美瑛の丘を見渡せるハンモックなど、まるで童話やヨーロッパ映画に入り込んだような感覚に。女子心をくすぐる世界観です!

 

 

スプウン谷のザワザワ村
住所/北海道上川郡美瑛町大村大久保協生
電話/0166-92-7037
料金/大人4名の場合1人 15,500円(1泊朝食付き)ほか

 

夢見心地のまま、次は美瑛の“おいしい”が集まる「美瑛選果」へ向けて出発。JAの直売所なので採れたての農産物や加工品、美瑛の小麦を使ったパンなどがそろっています。どれもおいしそうでデザインもかわいい商品ばかりなので迷ってしまいますが、試食ができるコーナーもあるので、じっくりと選べるのも高ポイント。

 

さらにこちらには、レストラン「アスペルジュ」(12月〜3月は休業)を併設。ミシュランガイド北海道で星を獲得したこともある程の実力店です。

 

美瑛選果
住所/北海道上川郡美瑛町大町2
電話/0166-92-4400(選果市場)
時間/11/4〜3/31は 10:00〜17:00、季節により異なる
休み/12/30〜1/5

 

 

 

 

■北海道・美瑛町/スノーシュー&カフェタイム

再び、美瑛の丘を目指します。夏は色とりどりの農作物でパッチワーク模様に彩られた景色が美瑛の代名詞ですが、実は冬の景色も必見。

晴れた日はこんな感じの青空と雪原が!

 

「雪が降り積もった晴れの日には、見渡す限りの青空と雪原が広がります」と教えてくれたのは、丘のまちびえい活性化協会の泉さん。取材日はあいにくの天気と積雪状態でしたが、2018年度から本格的にスタートする丘のスノーシューを体験させてもらいました。

 

「雪が積もってわからないですが、丘は農家さんたちの農地。なので、許可なく踏み入ることは禁止されています。スノーシュー体験を企画するに当たり、農家さんに特別に協力をいただきました(専属ガイドの案内なしで丘は歩けません)」。「スノーシューというと、雪山の中でというイメージがありますが、もっと町中で、そしてこのきれいな冬の美瑛の丘を満喫して欲しいです」と、熱い想いを語ってくれました。

 

この美瑛の丘でのスノーシュープランは2パターンあり、スノーシューの後にランチかカフェ(お茶とスイーツ)を選べます。今回はカフェをセレクト。

スノーシュー体験の場所から程近い森の中に佇むのが、パティスリー「MERLE(メルル)」。案内してもらわなければ見過ごしてしまいそうな、こぢんまりとしたサロン・ド・テ(喫茶店)で、この景観に惹かれて移住してきた涌嶋さんご夫婦が営んでいます。

季節によって変わるケーキやタルトと、種類豊富な紅茶に目移りしちゃいますが…りんごとカシスのタルト550円と、このタルトに合うノヴゴロド650円という紅茶をお願いしました。窓辺の席で深々と舞い落ちる雪を眺めながら、丁寧に仕上げられたケーキと紅茶をいただく。そんな贅沢なひと時を過ごせました。

“ふら〜り 冬さんぽ” 〜美瑛の丘で絶景スノーシュー体験〜

 

住所/北海道上川郡美瑛町本町1-2-14 四季の情報館2F
電話/0166-74-5757(丘のまちびえいDMOオフィス)
料金/2名以上の場合 1人3,500円(ランチ、カフェ代別途)
*2名以上から受付

 

MERLE
住所/北海道上川郡美瑛町美田第3
電話/0166-92-5317
時間/月曜・木曜・金曜13:00〜18:00(LO)、土曜・日曜・祝日11:00〜18:00(LO)
休み/火曜、水曜(祝日は営業)

 

 

 

 

■北海道・美瑛町/新名物を旅の思い出に

すっかり日も暮れ、美瑛の市街地へ戻ります。美瑛駅のロータリーにあるツリーが冬の間はライトアップされているので、こちらも是非。

 

楽しく、あっという間に過ぎた2泊3日ももう終わり。旅の締めくくりは、旭川空港の国際線新設に伴い2018年11月にオープンしたばかりのショップでお土産を。美瑛にあるミシュラン1つ星のイタリアンレストラン「バローレ」が出店した新店舗で、ベジタブルスイーツを購入できます。ビーツやカボチャ、ユリ根などから作ったマカロン1,300円と思い出を携えて、旅から飛び立ちます。

 

Valore Cyan(バローレ シアン)
住所/北海道上川郡東神楽町東2線16号98番地 旭川空港新国際ターミナルビル 1階
電話/0166-64-6181
時間/7:55~20:00 (就航便の時間帯に合わせて営業)

 

 

振り返ってみれば、この農泊で目にしたもの、触れたもの、味わったもの、すべてにストーリーがありました。ただ眺めるだけではわからない、歴史や今を生きる人たちの思いを実際に話し、体験することで、この町や人のことを好きになることができました。インターネットで検索すればいくらでも情報が出てくる時代ですが、百聞は一見に如かず。新しい気付きが、きっとそこで待っているはずです。