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岐阜で名物グルメと城下町の歴史を巡る、2日間の農泊旅(前編)

近ごろ、全国の農家や漁村で広まりつつある「農泊」という滞在型旅行をご存知でしょうか?「農泊」とは農山漁村に泊まりながら、その土地の暮らしを体験する旅のスタイルのこと。宿泊するだけじゃなく、その土地の伝統に触れ、地元の人々との交流も楽しめるのが魅力です。

 

現在は東京オリンピックの開催に伴い、国内外から地方への注目度が高まっているため、インバウンドの利用者も多いそう。今回はそんな「農泊」の楽しみを届けるべく、岐阜県・郡上市へ1泊2日の「農泊」へ出かけました。

 

お邪魔したのはこの地で 30年間親しまれている民宿「愛里」。こちらでの宿泊体験のほか、明宝エリアと郡上八幡エリアの名所を巡ります。

 

「道の駅 明宝」でお土産選び&名物グルメを食す

岐阜駅に到着し向かったのは、里山の風景に癒される明宝エリア。明宝は1184年、宇治川の戦いで活躍した梶原景季(かじわら かげすえ)の愛馬・磨墨(するすみ)の故郷ともされています。

ではさっそく、名物グルメや豊かな自然にあふれる「道の駅 明宝(めいほう)」に立ち寄り! 地元の食材や特産品の販売所などが集まる、人気の観光スポットです。

「道の駅 明宝」は、東海地区有数のドライブコース「飛騨美濃せせらぎ街道」沿いに!道の駅の中心には、磨墨の像も!

 

お腹もすいたので、まずは「喫茶明宝」でランチタイム。飛騨牛や「鶏ちゃん」、「明宝ハム」など地元の名物料理が一挙に楽しめるとあって、この日も観光客で賑わっていました。旅の始まりだしと、思い切って「飛騨牛サーロイン陶板焼き定食」(税込2580円)をオーダー!

 

ちなみに極力地元産の食材を使うのも、こちらのこだわり。ご飯や味噌汁の味噌、豆腐もすべて地元産なのです!

やわらかな飛騨牛は、旨味と脂の甘みが重なります。

食後は物産館でお土産を物色

 

お腹を満たしたあとは、隣接の物産館でお土産探し。レストランで出されていた「鶏ちゃん」や「明宝ハム」などもここで買うことができますよ!

 

道の駅&周辺で、名物グルメざんまい!

厳選した国産豚のモモ肉のみを使う「明宝ハム」は、昭和28年に郡上明宝村で創業。県外のファンも多いんです

 

「道の駅 明宝」には、まだまだ名物グルメがたくさん。「明宝ハム」直営の「めいほうミート」&「無料休憩所 磨墨庵」に向かいます。「めいほうミート」は繁忙期しばしば行列になることもある、道の駅きっての人気店。テイクアウトした「明宝フランクフルト」(200円)はパリッとジューシー、独特の旨味があふれます。

 

さらに道の駅の端にある「無料休憩所 磨墨庵」へも。こちらは、駅内で買ったテイクアウトグルメなどを食べながら休憩できる場所。休憩所内ではさばきたてのアマゴとイワナの塩焼き(各税込350円、火曜日は販売なし)が食べられると聞き、思わず注文!

「めいほうミート」外にあるベンチでパクパク。

続いて食べた塩焼きは、じっくり火を入れたからこそのふんわりやわらかな食感に感動しました。

 

塩焼きは40分かけ、いろりでじっくりと焼いてくれます。そしてこのいろりは、800年間燃え続けている明宝・千葉家のいろりから分火したもの。休憩所のいろりも、20年以上火を絶やしていないそう! さらにカウンター席の眼下には、吉田川沿いの「磨墨の里公園(するすみのさとこうえん)」を一望。食べ終わったら行ってみよう。

いろりで魚が焼かれていく様子を眺めていると、どこかほっとした気持ちに

店裏手にある吉田川沿いの「磨墨の里公園(するすみのさとこうえん)」は、

エメラルドグリーンに輝く吉田川と四季折々の景色が味わえる絶好のロケーション。春は桜や新緑とのコラボレーションが楽しめます。

デザートにジェラートも。

香り高い茶葉が口いっぱいに広がるほうじ茶に、甘く濃厚なミルク、香りよく爽やかなピーチとのバランスが最高!

 

散策を楽しんでいたら、再び小腹が空いてきました。ということで、道の駅の向かいにある「明宝ジェラート 本店」でデザートタイム。フルーツなどを使った手作りジェラートの専門店ですが、この地ならではのフレーバーもあります。

ずらっと並ぶジェラートに、どの味にしようか迷うこと数分…ほうじ茶とミルク、レッドピーチ(赤桃)の3種に決定!

 

「道の駅 明宝」は、ここだけで半日は楽しめそうな充実ぶり! みなさん、お腹をすかせて訪れることをおすすめします。

 

道の駅 明宝

住所/岐阜県郡上市明宝大谷1015

電話/0575-87-2395

時間/9:00〜18:00(テナントにより異なる)

URL/https://www.meiho-masters.co.jp/

 

明宝ジェラート 本店

住所/岐阜県郡上市明宝大谷822

電話/0575-87-0138

時間/10:00〜18:00

休み/火

URL/http://meihogelato.jp/

 

「自然宿泊 愛里」にチェックイン!

「自然宿泊 愛里(あいり)」は、「第一回農林漁家民宿おかあさん100選」にも認定された宿。お風呂のお湯が明宝温泉というのも、魅力的です

 

「古里を愛する」という意味を込めた、「自然宿泊 愛里」。カフェを営んでいたところ、「このまま泊まりたい!」という要望が多く民泊もスタートしたそうです。やがて畑での収穫や郷土料理が習える農泊としても人気を呼びました。カフェは開店して40年、民宿は30年になる老舗です。

カフェ入口にある名物の石も、お見逃しなく。よ〜く見ると、「愛里」の文字が見えてきませんか…? 自然にできたものだというから驚きですね

 

「カフェでは自分が食べて育った土地の味を知ってほしかったので、畑で作った地の素材で仕立てたメニューを楽しんでもらえたら、と」と、お母さん。そんな気持ちから、料理体験も始めたといいます。

 

畑で野菜を収穫!

「自然宿泊 愛里」の裏手では、大根やニンジンなど約40種の野菜を栽培。今日は赤大根や水菜などを収穫させていただきました。

山々に囲まれた清々しい空気のもと、新鮮な野菜を思う存分収穫!

お母さんにそれぞれの穫りかたを教わりながらたくさん収穫! さて、夜ごはんの準備に入りましょう。

 

お母さんに郷土料理を習います

 

料理を始める前に、郡上八幡ならではの「水舟」で野菜を洗います。郡上八幡独特の文化である「水舟」は、湧き水や山の水を引いた2〜3層の水槽。一段目では食べ物を洗い、二段目ではよごれた食器などを洗うのに使われます。

 

ひんやりした水が気持ちいい!

野菜を洗ったら、料理の下準備にとりかかります

 

今日習うのは、「白和えなます」と「朴葉(ほおば)ずし」。地域によって具材が違うのも郷土料理の楽しみですが、この辺りのなますには、ゴマと堅豆腐を入れているのだそう。そして「朴葉ずし」は、この地域に朴葉の木を植えている家庭が多いことから生まれたもの。昔は田植えなどの農作業の際に食べる昼ごはんとして親しまれていました。葉っぱで包むことにより、ゴミが残らないというメリットも。

「白和えなます」は千切りにした大根やニンジンを塩でもみ、共に擦った煎りゴマ&堅豆腐と混ぜます。最後に塩と砂糖、酢で味を整えたら完成です

 

作る途中、まったく調味料の量を計らないお母さん。「それぞれの“母の味”を持ってほしいから、分量は回数を重ねるうちに自分で決めていくのがいい。以前郷土料理のレシピ本も出しましたが、そこにも細かな量は書いていないのよ」と笑います。

お母さんと二人三脚で料理中。「白和えなます」は、少し寝かせたら味が馴染んでおいしいそう!

 

続いては「朴葉ずし」。酢で仕立てた混ぜごはんを、庭でとれた朴葉に包みます。

「家庭よってはフキなどの山菜やタケノコを入れたりもするから、それぞれの家の味があります」とお母さん。昆布を入れて炊いたご飯に(1メモリ水を引いて炊きます!)、千切りにして煮込んだ具材を混ぜたらできあがりです。

コツは具とご飯を熱い状態で混ぜること!

そうすることで、いっそう葉の香りが良くなります

 

朴葉に包む量は、1つ100gが理想とのこと。紅ショウガを添えて包みます。

盛りつけが終わったら、夕食の時間!

 

食卓にはお母さんと作った2品のほか、息子さんが打ってくださった蕎麦も。ほか、大豆から作る自家製味噌で仕立てた「鶏ちゃん」やこんぶ汁、栗のピーナッツ和え、水菜のサラダなど、旬の味が並びます。これは贅沢…!

 

シャキシャキっとゴマが香る「なますの白和え」に、香りいい「朴葉ずし」と、

食べたことがない家庭味に箸が止まりません。

コク深く仕立てられた「鶏ちゃん」にも、お母さんの腕が光ります

 

お腹がいっぱいになったら、温泉に浸かって就寝。温かくまろやかな湯が、全身の疲れをほぐしてくれたのでした。

 

2日目はほっこり朝ごはんからスタート!

地元食材のほっこり朝ごはん

 

朝はお母さんお手製の朝ごはん。焼き魚や煮物などがそろう、ザ・日本の朝食です。食後はお母さんが書いた郷土料理の本「めいほう 食の教科書」を読みながらひと息。代々里山で受け継がれてきた母の味が、この一冊に詰まっています。

「めいほう 食の教科書」が欲しい方は宿に問い合わせを!

 

昨日作ったレシピもおさらいしたのち、お母さんに別れを告げて次なる町へ。向かうのは車で約20分の郡上八幡エリアです。「郡上八幡」は、古い町並みや昔ながらの水路が残る、風情ある町。ここならではの文化や景色を巡ります!

 

自然宿泊 愛里

住所/岐阜県郡上市明宝畑佐1008

電話/0575-87-2400

時間/カフェ平日11:00〜14:00、火曜定休

料金/民宿:税込7000円、本館:8640円(各平日大人1泊2食付きの税込料金)※入湯税別途100円

URL/http://sizenshokuhaku-airi.com/

 

※後編はこちら

 

岐阜県郡上市の「農泊」について詳しく知りたい方は

「ぎふの田舎へいこう!」推進協議会

https://gifu-inaka.pref.gifu.lg.jp/index.html